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ザトウムシとは──クモに似て、クモではない生き物
細く長い脚で、ゆっくりと壁や地面を歩いている生き物。 物置や軒下、家の中で見かけたことがある人も多いと思います。
その生き物の名前は「ザトウムシ(座頭虫)」です。
クモのように見えますが、クモではありません。 毒はあるのか、噛まれることはあるのか、なぜ家の中に入ってくるのか。 このサイトは、道端や物置で出会った1匹を落ち着いて理解するための場所として作りました。
クモではない、という話から
ザトウムシは、クモと同じ「クモ綱」に属する仲間ですが、 分類上は「クモ目(Araneae)」ではなく「ザトウムシ目(Opiliones)」に入ります。
見た目が似ているため混同されがちですが、体のつくりはかなり違います。
クモ … 頭胸部と腹部が、くびれではっきり分かれている
ザトウムシ … 頭胸部と腹部が融合していて、体が一つの丸い塊に見える
クモには糸を出す器官(糸疣)がありますが、ザトウムシにはありません。 巣を張らないのはこのためです。
「座頭虫」という名前の由来
「座頭(ざとう)」とは、昔、杖をついて歩いた盲目の旅芸人・按摩師を指す言葉です。
長い脚を杖のように使いながら、探るように歩く姿が 座頭の歩き方に重ねられて、この名前が付いたとされています。
英語でも “harvestman”(刈り入れをする人)と呼ばれ、 細長い脚を農作業をする人の姿に見立てた名前が付けられています。
毒はあるのか
多くの解説で、ザトウムシには人に害を及ぼす毒腺がないとされています。 クモのように牙で咬みつくこともありません。
刺激を受けると、体の脇にある臭腺から 独特のにおいのする分泌液を出すことがありますが、 これは身を守るための忌避手段であって、人体に有害なものではないとされています。
→ 詳しくは「ザトウムシに毒はあるか」
益虫なのか害虫なのか
ザトウムシは小さな虫の死骸や、植物質のものまで食べる雑食性です。 クモのように生きた獲物だけを狙う純粋な肉食ではありません。
害虫を減らす面もあるとされ、どちらかといえば益虫寄りとして紹介されることが多い生き物です。 一方で刺す・噛むといった実害の報告はほとんどなく、 「気持ち悪いから駆除したい」という気持ちと、「実害がない」という事実は、分けて考える必要があります。
→ 詳しくは「ザトウムシは益虫なのか害虫なのか」
家の中で見かけたら
物置、軒下、風呂場、庭の隅など、湿気があって薄暗い場所を好みます。
秋になると群れて集まっている姿を見ることもありますが、 これは繁殖や越冬に関わる自然な習性とされていて、異常事態ではありません。
無理に叩き潰さなくても、 優しく外へ出す・見て見ぬふりをする、といった対応で十分なことがほとんどです。
→ 詳しくは「家の中でザトウムシを見つけたら」
自由研究の題材にもなる
8本の長い脚、丸い胴体、独特の歩き方。 観察の対象としても面白い生き物です。
飼育や観察記録は、夏休みの自由研究の題材としても取り組みやすいテーマです。
→ 詳しくは「ザトウムシの自由研究──観察のまとめ方」
まとめ
- ザトウムシ(座頭虫)はクモに似ているが、クモ目ではなくザトウムシ目の生き物
- 名前は、杖をついて歩いた**座頭(盲目の旅芸人)**に由来するとされる
- **毒腺は無いとされ、噛みつくこともない。**忌避のための分泌液を出すことはある
- 雑食性で、益虫寄りとして紹介されることが多い
- 家の中で見かけても、優しく外に出せば十分なことが多い
- 長い脚と独特の歩き方は、観察・自由研究の題材にもなる
出典・参考にした考え方
このサイトの説明は、動物分類学の一般的な知見(ザトウムシ目とクモ目の違い、 毒腺・糸疣の有無など)にもとづいています。
・分類(クモ綱ザトウムシ目)、糸疣・毒腺の有無に関する記述は、
動物分類学の教科書・自然史博物館の展示解説等で共通して確認できる一般的な知見です
・個体数の増減や群れる習性の詳細な理由など、学術的に確定していない点は
断定せず「〜とされています」の形で書いています
確認日:2026-09-01